革の一大名産地、イタリア。
古くは紀元前からローマ時代、そして現代と、イタリアの皮革産業は時代の変遷と共に発達を遂げてきました。
独自のカラーセンスと発色の良さ、しなやかな風合い。長い歴史で培った繊細な技術で仕上げるイタリア産の革(イタリアンレザー)は、アメリカのコードバン 、イギリスのブライドルレザーに並ぶ「世界三大レザー」とうたわれています。
中でも植物由来の成分を使った「ベジタブルタンニン鞣し」製法で作られた革は、世界でも高く評価されています。
植物由来の鞣し液を、時間をかけ革に浸透させる製法。現代では短期間で大量に生産可能な「クロム鞣し」に移行するタンナーが多い中、トスカーナ州では古くからの製法を受け継いだ革づくりが行われていて、「バケッタレザー」はそういった現地独自の秘伝の手法でつくられる革の一つです。
▶︎イタルペル社本社
イタリア中央部に位置し、歴史あるタンナーが集まるトスカーナ地方。
州都フィレンツェから45kmほど、アルノ川とのどかな牧草地の間に「イタルペル社」の本社工場はあります。
1985年の創業以来、伝統的な製法と手作業による革作りを行う同社は、良質なベジタブルタンニン鞣し革を作るタンナーとして認められた「イタリア植物タンニン鞣し協会」に加盟する数少ないタンナーです。
イタルペル社のつくる代表的なタンニンレザーが「ボックス」と呼ばれる革。厳選されたフランス産原皮のショルダー(牛の肩の部分)を使用し、ケブラチョやミモザ、チェスナット由来のタンニンでゆっくりと時間をかけて鞣します。
▶︎左:鞣し剤の粉末、右:イタルペル社独自で調合したオイル
革に含ませるオイルはタンナー毎に独自で調合したものを配合、ひとつひとつにタンナー独自の歴史とこだわりが伺えます。
▶︎左:革の染色、右:代表のパウロ氏自ら現場で検品を行う
柔らかくしなやかに仕上げた革に、門外不出のシュリンクをプレス。ナチュラルな風合いを保ち、かつ型押しとは思えないふっくらとしたボリューム感は、長年の経験と丁寧な手仕事があってこそ生み出されます。
バケッタレザーの魅力は何よりも「経年変化」、言うならば「育てることを楽しむ」革です。
可能性を秘めた革ならば、存分にその魅力を引き出してこそ使う意味がある。丹精込めて作られたバケッタレザーの秘めた魅力を、皆さまに届けたい。
そんな想いを形にしたのが「ギャロップ」シリーズです。
バッグからベルト、お財布、そしてボールペンとバリエーション豊富に揃うシリーズ。細かなシュリンクが上品な佇まい、かつキズが目立ちにくいのも使いやすさのポイントです。
使用で生まれた小さなキズは、磨きのお手入れで目立たなくなることも。アクティブに使い、お手入れをすることで、革は色濃く艶やかに、より美しい風合いへと変わってゆきます。
「ギャロップ」とは馬が全速力で走る走法のこと。
力強く大地を疾走するサラブレッドのように、時に握り締め、傷を恐れずガシガシと使い、バケッタレザーの魅力を引き出し味わっていただきたいのです。
トスカーナの歴史と伝統を込め作られた革を、私たちの手を経て、あなたの手で育ててゆく。そんなストーリーをあなたの手で描いてみませんか?
ギャロップはきっと、あなただけのオリジナルの色に染まってくれるはずです。
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