ソメスのダレス物語vol.2

ソメス製品を知り尽くした真のスペシャリスト

ご愛用品の寿命を伸ばす、修理職人

スマート化、スリム化と言われる現代、ビジネスマンたちの持ち物やスタイルが変わりつつある中でも、ダレスバッグは未だ根強い愛用者とニーズがあります。

先にご紹介した、25年愛用のダレスバッグのように、
お手入れを重ねて1年でも長くライフワークを共に歩んでゆく相棒でありたい。
ダレスバッグユーザーならそう誰もが思うはず。

そんなソメスユーザーたちを影で支える職人たちがいることをご存じですか?

ソメスを知り尽くしてこそ担える
ダレスバッグの修理

革バッグの修理▶︎各店各地から日々修理品が集まる

ソメスサドルには製造の他に、製品の修理を担う専任の班が存在します。

バッグや財布、小物に馬具、全国各地のソメスユーザー様の使い込まれたご愛用品がここに里帰りします。
その数は年間約1500以上。それを、たった4人の職人でこなしているのです。

職人はいずれも長年の製造経験から、ソメス製品に熟知した者ばかり、中でも最もオファーの多いバッグの修理を請け負う、大ベテラン職人が佐々木です。

ダレスバッグの修理

ソメスサドルが歌志内市の工場で製造を行う当時を知る数少ない現役の職人。これまで豊富な製造に携わった経験から、修理部門で総合的な技術を発揮しソメスブランドを支えています。
ソメスの修理、ダレスバッグの修理について伺いました。

「馬具という道具を作ってきたからこそ実現したシステム」

まずソメス製品は、修理することを考慮して仕様が決められています。

すぐ壊れやすいということではなく、「壊れても修理をして、より長く使って欲しい。」という想いからはじまりました。
使って直してまた使う、馬具という道具を作ってきたソメスだからこそ出来たシステムでしょうね。

このシステムは昔から続いていますから、現在販売されていない過去の物でも承れます。現にダレスバッグは現在販売されていない10年、15年、それ以上と使い込まれたご愛用品が多く届きます。

▶︎このダレスは口枠の金具とベロの交換

ダレスバッグの修理で多いのは、四角の当て革の擦れ、ベロ、コバ(断面)、口枠ネジの劣化など。いずれも長年の使用で傷みが出やすい箇所です。
四角であれば当て革を交換、ベロはパーツごと交換、コバは塗料で磨き直せば見た目が良くなるだけでなくヘリの更なる傷みも軽減してくれます。

さらに使い込まれた物では胴体革の型崩れや、左右のマチが部分的に革切れしているケースもあります。

「ダレスバッグはシンプルに見えて、複雑なつくり」

バッグ修理の基本工程は、まず全ての縫製を解いてパーツごとに分解することからはじまります。
分解してパーツに分けて、修理して、元の形に組み立てます。

今回の修理はベロ部分の交換と口枠の金具交換なので、ベロの周辺だけ分解しました。ダレスの口枠は手縫いなので手縫いで縫い直します。

ダレスバッグの修理▶︎一目一目元の目を拾いながらの手縫いは神経を使う

修理で重要なのは、分解したパーツを元の形に戻す作業。縫製を解いているので、元のステッチ通りに縫わないと、最終的に形が歪んだり、革や生地が針で切れてしまいます。
これは手縫いでも同じこと。強固に縫う手縫いですが、力を加減しないと元の縫い目の革が切れてしまうこともあります。慎重に行わなければいけない作業です。

使い込むことで少なからず革も劣化してゆきますから、同じ箇所の修理にも限界があります。この手縫いも胴革の状態から、今回を最後とするのが良いでしょうね。

修理箇所を含めて、元の状態に組み立て直す。そのためには革や細部の状態を見極めた判断や調整が欠かせません。

「今までより長く使える修理のご提案を。」

革バッグの修理

分解するという作業は、手間の掛かる作業ではありますが、一度パーツに分けることで新たな修理箇所が見えてくることもあります。

ご要望の箇所を修理することはもちろんですが、ご指定の箇所だけでなく、全体的な状態を見て、今必要な修理をご提案しています。

例えば、革が切れそうになっているので、交換した方が良い。
擦れや負荷が掛かりやすい箇所の交換は、規定より厚い革で交換する。など。

当初より費用やお時間をいただいてしまうこともありますが、先の使用を見据えて今直せる箇所は同じタイミングでご提案したほうが良いですし、修理後は今までお使いいただいた日数よりも、1日でも長くお使いいただけるように仕上げます。

「日頃のケアと修理を活用して。」

「美しい経年変化にはお手入れが肝心。」私達からもよくお伝えする言葉です。

革の美しさが保たれるということは、革が健康である証。
負荷のかかるショルダーの根元が切れてしまった。表面がヒビ割れた。
修理品の中でも多いご要望、そのほとんどが、革のメンテナンスが充分でない物だと佐々木は言います。

負荷の掛かりやすい箇所だけでも定期的にお手入れを施せば、革切れのリスクは大幅に抑えられるのだとか。

ソメスサドルでは店頭スタッフによるメンテナンスや、職人による講習会などのイベントを定期的に開催しています。
愛用品の寿命を伸ばすためにも、ご自身やスタッフによるお手入れを取り入れることをお勧めします。
一生物のダレスバッグへ、私たちと共に育ててゆきましょう。

関連記事

RECOMMENDED

カテゴリー

CATEGORY