「革の総合芸術」と言っても過言ではない「鞍」。
必要性に応じて部位ごとに厳選される素材や曲線的な構造をもって出来上がるその様は、まさに「意匠美」に満ちています。
鞍のあおり革を連想させる2つのフラップが象徴的な「サドラリー」シリーズは、鞍の美しさをソメスサドルなりに紐解き再設計。手のひらで感じていただける「意匠美」を注ぎ込みました。
素材には、2種類の異なる革を選びました。ひとつはきめ細やかなスムースレザー、もうひとつは上質なヌバックです。
スムースレザーは手触りの良さを際立たせた牛革で、粒子の細かい顔料でのカラーリングによって、奥行きを感じる表面が特徴。キズに比較的強いのも、長く使っていただきたいという思いから。
革の表面にヤスリをかけて起毛させるヌバックは、同じように見えても実は様々な種類が存在しています。今回選んだのは、時間をかけてきめ細やかに毛羽立ちさせて仕上げたもの。より上品な雰囲気が漂います。
2枚のフラップは、「鞍」が持つ美しい曲線をイメージしてデザイン。
表裏の貼り合わせ、盛り芯、ステッチワーク、コバ磨きと、あえて曲線にすることで作業の難易度は数段増してしまいますが、そこは職人の腕の見せ所。立体的かつ均整のとれた仕上がりにすべく、ひと手間ひと手間丁寧につくっています。
ダークブラウンとグレージュの2色展開で、それぞれ本体のスムースレザーに同色のヌバックを合わせています。少しだけ見える質感違いのヌバックがアクセントになり、漂う気品の中に存在感を添えます。
明るいゴールドの金具のさりげない輝きも、永く愛着を持ってお使いいただけるポイントのひとつです。
デザインとして目を引くフラップですが、見かけだけのものではありません。
使いやすさを考えながら設計する中で実現した、まさに「用の美」の産物なのです。
ちょうど良く指がかかり、開け閉めのしやすいつくり。そして面を活かした収納力と、出し入れのしやすさ。長財布も三つ折り財布も、それぞれ見た目以上の収納スペースがあり、手に持ったときにもストレスのない使い心地です。
「鞍」をはじめとする「馬具」は、見た目だけが美しければいいものでは決してありません。
馬と人の命を預かる「道具」。第一に安心安全であること、どのように使われるかをじっくり考えぬかれてつくられる、だからこその美しさがあります。
お財布には必要以上の配慮かもしれません。
でも、ソメスサドルのものづくり精神の根本は常に「道具」づくり。
革の経年変化も加わり、使うことでより輝く製品。使ってこそ、その良さが際立ち、また使う人のこともより引き立てる道具。
ソメスサドルの思いと技術を、ぜひ、使って感じてみてください。SA-11 サドラリー 長財布 ¥41,800
SA-15 サドラリー 三つ折り財布 ¥29,700
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