馬に乗るために欠かすことのできない道具「鞍」。時代とともに型は変化していますが、乗馬や競馬など、現代スポーツで使われる鞍にはたくさんの種類があります。
人、そして馬の命を預かる馬具や鞍を製造しているソメスサドルですが、実は世界でも珍しい乗馬用・競馬用の鞍を両方製造しているメーカーです。
今回は国内で唯一の馬具メーカーであるソメスサドルで製造している鞍をご紹介します。
ソメスサドルで製造している鞍の種類は、乗馬用・競馬用と大きく分けて2つに分けられます。
オリンピック競技にもなっている乗馬も、日本では馴染み深い競馬も、同じ馬に乗るスポーツですが使われる鞍や馬具は大きく異なります。
そのため世界中の鞍メーカーは2種類の鞍を一緒に作ることは少なく、両方の鞍を製造しているのは、独自の歴史を辿ってきたソメスサドルだからこそと言えるかもしれません。
世界を代表する競馬騎手のミルコ・デムーロ氏もソメスサドル砂川ファクトリーに来た際に、乗馬用・競馬用の鞍を製造していることにとても驚かれていました。
また、乗馬用・競馬用の鞍の中にもさらに細かくたくさんの種類があります
総合馬術は馬場競技・クロスカントリー・障害馬術の3種目すべてを合わせた「馬術のトライアスロン」とも呼ばれる競技です。
障害鞍と馬場鞍の中間的な造りとなっており通常の乗馬以外にも屋外でのトレッキングなど幅広い場面でご使用頂けるの オールパーパスサドルです。
しなやかさと強度を併せ持ったシンセティックツリーを使用した、快適な乗り心地と大型ニーロールクッションを採用。
大型設計のパネル(鞍辱)で馬にも優しく初心者から競技ライダーまで幅広いユーザーにお勧めです。
※ソメスサドルでは障害鞍は現在製造しておりません。
先に紹介した総合鞍と比べてあおり部分が長く、より馬へのフィット感、コンタクトを感じられる造りが特徴のドレッサージュサドルは、馬場馬術向けの鞍です。
馬場馬術とは、歩き方やステップなどの演技の美しさや正確さを競う競技で、人間のスポーツでいうフィギュアスケートに似ているかもしれません。
主に鞍にお尻を付けた状態で騎乗することが多いため、あおり部分が長く、腹帯の美錠が馬とのコンタクトを妨げないように託革が長い仕様になっているのが特徴です。
※ドレッサージュサドルは受注生産のためこちらからお問い合わせください。
ソメスサドルが乗馬ビギナーズのために開発した、特許取得済の鞍『ビギナーズサドル』。
足の型に合わせて着脱できるニーグリップと、ハンドルによって落馬率を大幅に下げることができます。
落馬の恐怖心を減らし、乗馬初心者の方々にもっと乗馬を楽しんでいただくために開発しました。
慣れてきたらニーグリップは取り外せる仕様になっているので、初心者から中級者までお使い頂ける乗馬鞍です。
2020年にNHKで放送された人気ドラマ「エール」の作中に使用した道具を制作しました。
ソメスサドルの56年の歴史でも軍用鞍の製造経験はありませんでしたが、旧工場である歌志内工場にサンプル資料として保管していた軍用鞍がありました。
できる限り当時の状態をリアルに再現させるため、鞍骨(鞍の芯)には当時と同じ防腐剤(コルタール)を使用。その影響で工場は独特の臭気が漂っていました。
革の色に関しては「当時は今のように綺麗に染まった革はない」という見解のもと、染色されていない革を工場で染色・加工をして、あえてムラのある仕上げに。
さらに、ひと縫いもミシンを使わず鞍のすべてを”手縫い”で縫製。
見たことも作ったこともないものを再現することはとても難しく、型起こしだけでも一苦労でしたが、ソメスサドルの職人としての誇りとこだわりを「軍用鞍」を通して表現できたのではないかと思います。
競馬用の鞍には競走馬の調教時に使用する「調教鞍」とレースで使用する「レース鞍」があります。また調教鞍やレース鞍の中にもさらに多くの種類があるため、代表的な鞍を紹介します。
競馬はスピードを競うスポーツのため、乗馬鞍と違い、軽く・小さくが求められます。また、鞍に座ることも少ないため、シートやあおり部分も小さく作られています。
調教鞍とはその名の通り、競走馬の調教時に使用する鞍です。
ソメスサドルでは複数の種類の調教鞍をつくっていますが、一番ポピュラーなものがハーフツリーサドルとなっています。
ハーフツリーサドルの特徴として、鞍骨(あんこつ)と呼ばれる鞍の芯が、座面部分と後橋部分には無い構造でできています。そのため、通常より鞍が軽く、座面が柔らかく人馬両方に優しい鞍となっています。また、本革製のため使い込んでいくと鞍が人馬に適した形に変化していくのも大きなメリットです。
ソメスサドル製のレースサドルは多くの競馬騎手の方々に使用していただいている製品です。
レース中は基本的にシートに座ることはないので極力薄く、軽い作りになっています。
競馬のレースには斤量といって、騎手の体重・衣類・所定の馬具や鞍を合わせた重量が定められているので、その斤量に合わせて鞍の重さを変えることもあります。
以前はレース鞍も乗馬鞍や調教鞍のように革を使って作っていましたが、現代では丈夫で軽い合成素材を使用しているのが主流です。
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