私たちソメスサドルが日々製造している革製品。
その素材である「革」は、牛をはじめとした動物の「原皮(げんぴ)」に、”なめし(鞣し)”という加工を加えたものです。
原皮そのままでは硬く腐食してしまうため、原皮の主成分であるコラーゲンに耐熱性、耐腐敗性、柔軟性などを付与する作業を加え、丈夫で長く使える革へと加工します。
皮を革へなめす職人・業者のことを「タンナー」といいます。
タンナーは欧州をはじめ世界各地に存在し、日本国内にも国内にも数多くあります。
ソメスサドルでは馬具をはじめカバンなどの革製品をつくるために、それぞれの用途に適した革を世界各地のタンナーから仕入れ使用しています。
なめしの加工は大きく分けて「タンニンなめし」、「クロムなめし」、その両方の特性を持つ「コンビネーションなめし」の3種類。
それぞれのなめし方によって、仕上がりの革の風合いや特徴も異なります。
革の歴史は古く、なめしの方法やつくる革にも世界各国の文化やタンナーによって特色があるため、様々な種類の革を楽しめるのです。
タンニンなめしは古代エジプト時代より行われている、なめし加工では最も古い製法です。
「タンニン」とはお茶や赤ワインなどを飲むと感じる「渋み」のこと。鞣しには主にミモザやチェスナットオークなど植物由来の成分が使われます。
タンニンは革へ浸透するまでに時間が掛かるため、タンニンの槽に原皮を漬け込みじっくりと浸透させます。
段階を分けて数度漬け込むため、完成までには数カ月という時間と手間が掛かるうえに、複数のタンニンの槽を並べる敷地も要するために、現代で携わるタンナーは世界でも限られています。
タンニンなめしの革は、しっかりとした質感で丈夫です。また自然素材のため革本来の雰囲気を感じることができ、革の個性とエイジングも楽しめます。
クロムなめしは、タンニンなめしと比べて歴史が浅く(100年程度)新しい加工技術です。
クロム鞣し剤と呼ばれるクロム化合物を、ドラムに投入し皮に浸透させます。浸透に要する時間は一日程度で、早く大量に革を作ることができます。
クロムなめしで鞣された革は、タンニンなめしと比較して柔らかく伸縮性に優れています。着色や加工もしやすく、多くの革製品に使用されています。
タンニンなめしとクロムなめしの両工程を使うことで、各加工の欠点を補い、様々な特性を付与させることができる、ハイブリットな鞣し加工です。
ソメスサドルの例だと、クロムなめし革に独特のコシ感を出すために、染色の途中でタンニンを入るなどして鞣された革を使用しています。
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