硬く、分厚く、まるで陶器のような艶を放つ革の王様「ブライドルレザー」。そんなブライドルレザーは馬具メーカーであるソメスサドルと大きな関係があります。
ブライドルレザーとは、馬具用に作られた革のことです。「ブライドル」は、馬の頭部に装着する「頭絡」と呼ばれる馬具を意味しています。
ハミや手綱と連結し、人馬のコミュニケーションにとても重要な馬具で、馬の特性や操縦意図などによって様々な種類があります。
馬を連れて歩いたり、人の体重を支えたりする馬具は、手綱や頭絡など細長くスマートに見える道具でも、強い負荷が掛かります。
さらに、人が馬に乗った時の高さは約2m。もし乗馬中に革が切れてしまったら…人の落馬、馬の転倒など、大事故に繋がりかねません。
人類が馬に乗るようになったのは紀元前4000年頃だといわれています。以降人々は工夫を重ね、馬具の安全性を高めるため、厚みと堅牢度を追求した「ブライドルレザー」を作り続けています。イギリスで約2000年前にできた製法が、今なお続くブライドルレザーづくりの原型だそうです。
「買ったばかりの商品なのに、表面に白いカビが生えている…?」
ブライドルレザーを初めて目にすると最初に驚くのが表面を覆う“白い粉”です。よくカビや汚れと勘違いされてしまうことがありますが、これは大きな間違い。
ブライドルレザー最大の特徴であり魅力です。
白い粉の正体は「ブルーム」と呼ばれる蝋(ロウ)のような成分。ブライドルレザーは元々タンニン槽に数か月漬け続け、時間をかけることで堅牢度を高めていますが、さらに蝋などの油脂成分を革の繊維内部までたっぷり浸透させることで、より高い堅牢度を実現しています。
ブルームは内部の油脂成分が表面に浮き出て凝固したものです。油脂成分がしっかりと浸透してることにより、強い負荷が掛かっても一気に切れることはなく、徐々に柔らかくなっていくため、乗馬中の突然の事故の防止にも繋がります。また、油脂が多いことで水への耐性も高めています。
水は適切に使えばお手入れでも役立つことがあるのですが、使用中に多くの水分が浸透すると不純物による変質や、放置後に乾燥し劣化を進める要因にもなります。ブライドルレザーは、合成皮革や人工皮革のない時代から「使うために」考えぬかれた、機能素材なのです。
▲ブライドルのブルームの変化を、ファクトリーの職人が再現してくれました。
ブルームの変化を味わうのがブライドルレザーの最大の魅力。使っているうちに摩擦や手の体温で少しずつブルームが落ちていき、艶へと変化していきます。布などで磨けばさらに表面が整い、光沢が増して上品なブライドルレザーならではの美しさを楽しむことが出来ます。
現代では馬具はもちろんのこと、一般の革製品用のブライドルレザーも存在しています。ソメスサドルでは熟練の職人たちが厳選したブライドルレザーを、適材適所に使い分け、馬具や鞄・財布をつくっています。
特に、令和元年、天皇即位の儀のために作製しお納めした馬車具一式には、選び抜いた世界最高峰のブライドルレザーを使用させていただきました。
WARENDORF ヴァーレンドルフ
ヨーロッパ製のブライドルレザーを使用したシンプルなデザイン。堂々たる表情のブルームが、大人の品を演出してくれます。
ヘーゼルの革はソメスのオリジナルカラー。
ベーシックな二つ折り財布。マチの広いコインケースと、札入れは2室に仕切り収納の使いやすさも考えました。内装のキャメルが覗く、カジュアルな印象のヘーゼルは女性にもおすすめです。
WF-03 ヴァーレンドルフ 二つ折り財布
¥27,500
スリム派に人気の「フラグメントケース」。カードケースとしてはもちろん、ファスナーケースにお札やコインを収めて、コンパクト財布としても活躍します。重厚感あるブライドルを、現代のスマートなデザインで形にした贅沢な一品。
WF-04 ヴァーレンドルフ フラグメントケース
¥19,800
PASSAGE パッサージュ
PASSAGE パッサージュ
サラブレッドのような風格と佇まいで多くのユーザーを魅了してきた、ソメスのダレスバッグ。手に取れば上質な素材を駆使してつくり上げた“本物”に宿るクラフトマンシップを感じられます。
PG-33 パッサージュ ダレスバッグ
¥242,000
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