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すべては炭鉱の街から始まりました。厳しい社会情勢の変化が起きる中、いくつもの逆境を乗り越えてきました。どんなときでもこだわり続けたものづくりのへの姿勢は、職人たちの矜持となり、時代を超えて受け継がれています。
いま再び世界へ。私たちの未来へ繋ぐ新たな挑戦が始まります。
1.
ペンキの剥がれや変色が物語る使い込まれた機械。壁に貼られた古いポスター。まるで時が止まったような錯覚に陥るここは、歌志内市の一角にある以前の工場。ソメスサドルの前身となる「オリエントレザー」が創業した場所です。炭鉱の閉鎖によって衰退した町を再建したいという想いから、北海道開拓で点在していた馬具職人を集め、馬具の海外輸出を目的として1964年にスタートしました。
2.
馬具が市場に認められるようになるまでは、決して平坦な道のりではありませんでした。スタートした海外展開はオイルショックにより断念。その後、日本の競馬場で実際に取引ができるまでは、10年ほどかかりました。それでも折れずに続けてこれたのは、職人のものづくりに対する熱意。
「世界のマーケットに通用する馬具をつくる。」
創業当初に掲げたこの想いを胸に、真摯に馬具を作り続け、高い技術力を養いました。1989年、2019年には天皇「即位の礼」にて馬具一式を納品。また、世界最高峰のレースの一つ「凱旋門賞」では、2020年、2021年、2023年にソメスサドルの馬具を使った騎手が優勝し、製品力の高さを世界に証明しています。
3.
1989年には社名を「ソメスサドル」に変更。バッグや小物など革製品への挑戦が始まりました。始めた当初は、消費者のニーズを捉えることができず苦戦。それでも、ものづくりへの姿勢はブレることなく、馬具で培われた革の目利きと技術力で、馬具メーカーだからこそ作れる唯一無二の製品を次々と生み出しました。それは、馬具のエッセンスを落とし込んだデザインだけではなく、馬と人の命を預かる馬具の妥協なきものづくりの姿勢がもたらした匠の技によるものでした。製品力の高さが認められ、2005年に京都迎賓館落成に併せ革製品を納入。2008年には北海道洞爺湖サミットにて各国首脳に贈る記念品を贈呈しています。
4.
澄み切った空気と、広々とした敷地をすっぽり覆う白い雪面。そこにただすむ赤レンガの建物が、砂川市に移転した現在のファクトリーです。
歌志内市から場所が移っても地域に深く根付き、築き上げた産業を守り続けていく想いは変わりません。大きく切り取られた工場の窓からは、自然光が柔らかく差し込み、壮大な景色を映し出します。そこで馬具と革製品作りに励む職人たちの姿。この先もこの場所で、お客さまに長く愛されるものづくりを目指していきます。
創業60周年を記念して、SOMÈS SADDLEから特別な「鞍」「ボストンバッグ」「アタッシェケース」を製作することになりました。“本物のものづくり”を追い求めた新たな挑戦。サイトでは、商品が出来上がるまでの制作背景を追っていきます。ボストンバッグ、アタッシェケースに関しましては、今シーズンの冬頃に販売を予定しております。ぜひ楽しみにお待ちください。